わたしは ずいぶん みにくい
そこを ふんで
やわらかく ただれたのは
土 の ほう で
朝 空が関節を鳴らす
扉をもたない
からだ で
きみは ずいぶん いたい
照らされる ところ
あふれる
それが うつくしさ でも
鈍い線 を なぞらなければ
わたしたち
ほんとうに 傾くかとおもった
みてよ
ここから ずっと つづいて
もどる の
わたしは ずいぶん はんぱだ
やわらかく とけたのは ひかりで
ずいぶん ひえた きみは
さえぎった
きみを 殺そうと おもう
なまえを 知らず ぬめる きみは
ふえたりはしない
ふるえるの は わたしの 線だ
けれど
わたしは きみを 憎もうと おもう
ほんとうに かたむく と
あ か
まだ からだ
眠る前には
目を つむる
まぶたの裏 描かれる
ぶれ を しんじると きめる
※ 初出 詩学2003年4月号