第6回
重ならない二枚の紙 ひら ひら と 南からふく 風 と 東 からふく風 と その真ん中に立ち ゆれるカミに透けて見える 光と カミのむこうに見え隠れする 景色と ちらちらと ただ立ち尽くし 挟まれてもいない 自分と 重ならない カミと 一緒に 風の匂いをかごうと 目をつぶる (いつかこの真ん中の なだらかに反った道を そしらぬ顔で 歩いていくだろう) 重なることのない二枚の紙と 北 へふく風 と 西へふく 風と 別々に 今はただ ぼんやりと
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