SOMETHIN`ELSE 第3回 |
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正統派テナー
ローマン・シュワラー |
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石 橋 進 一 | |||
昨今のヨーロッパジャズの人気に喜ばしい気分を抱いている私も、そのスポットライトがピアニストにばかり偏っている傾向には少々食傷気味ともなってきた。確かに、スウェーデンやノルウェー、フィンランドといった国々にまで人気の光が当たりだし、内容的にもよい物が数多く出回っていることは、JAZZの発展に大いに寄与する要因にもなっている。 |
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ROMAN SCHWALLER (ローマン・シュワラーと表記したい) |
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これは、ドン・フリードマン(P)、マーク・ジョンソン(b)、ハインツ・リード(ds)といったメンバーを従えたワンホーン、全5曲、自身のオリジナルで占められたものだ。ジョンソン・リードの刻む正確なフォービートリズムの中を、彼のソロを思う存分堪能できる。最近、このレーベルもデッドストックが入ってきたが、残念ながら、この作品は入荷しなかったようだ。しかし、何と国内盤がかつて発売されていた。ドン・フリードマンの名義として、スウェディスクレーベルでユピテルから発売されていたものがものだ。中古盤をあさっていると、時々1000円前後でみかけることがあるので、機会があったら彼のプレーを聴いて貰いたい。 この国内盤及びEGO盤「AFTER A LONGTIME」はここ映画館にもあるので、リクエストしてみてください。もっと手軽に聴きたい方にはCDをお薦めする。前述のベーシックサウンド、JHM JAZZ4EVER といったレーベルから何枚かのリーダー作が出ている。堂々とした骨太なトーンの中に、ヨーロッパ特有の硬質さ、繊細さなどをあなたの耳で感じ取ってもらえたら、嬉しい限りだ。 ヨーロッパジャズは決してピアニストばかりではない。これから出てくるホーン奏者に注目していきたいと、最近つくづく思っている。 |
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